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2012/11/28のBlog
[ 18:28 ] [ フリースクールの毎日 ]
夜クラスに通っているK君。
夜クラスは18時から始まるのですが、「暇だー、暇だー。」と言って、
中学校が終わるとすぐに多文化にやってきます。

今週はテストウィークのようで、学校が終わる時間が早く、
2時くらいから多文化にいます。

今日も2時くらいにやって来て、廊下をぶらぶら。
昼クラスの授業をのぞき見、邪魔までしているようなので、1回目の注意。

2回、3回、何回言っても聞かないので、ついに雷が落ちました。

雷が落ちた後はご機嫌が相当悪くなったのが、表情をみたらわかります。
怒られたほうはもちろんですが、怒るほうだって嫌な気分になります。

そうじの時間。
雷が効いたのか、K君は私に寄ってきません。
怒りすぎたかしら?とちょっと反省。

自分も嫌な気分でそうじをしていたので、ぼーっとしていたのか、
大きなゴミ箱をひっくり返してしまいました。

天気も悪いし、今日は嫌な日だな・・・
ついてないなーと思っていると、「先生、大丈夫?どうする?」ととっさに
ほうきを持って駆け付けてくれた男の子がいました。
K君でした。

あっという間に「ちょっとうれしい一日」になりました。


たぶんかフリースクール本校
2012/11/20のBlog
[ 17:00 ]
10月に入学したKくんは無口でクール。

初日、教室に入ったKくんに、生徒たちはすぐ「こんにちは」と握手の手をさしだし、
次々に自分の話せる言葉をつなげて質問をしてきました。
彼はびっくりしたようで、少し身を引いた後にこわばった動きで握手をし、小さい声で答えていました。
そしてその後はほとんど返事しかしなかったKくん。
賑やかに何か国語もがとびかう教室の雰囲気に戸惑っているようでした。

それから一ヵ月、Kくんは教室の雰囲気にのまれることなく、相変わらず淡々と過ごしています。
でも授業中にわからないことがあればはっきり先生に質問し、時々は笑顔を見せてくれるようになりました。

日本と中国を行ったり来たりしていたKくん。
日本語も中国語も話せるのですが、その間に勉強はわからなくなってしまっていました。
それもあってか、最初の面談の時に「どこか行きたいと思っている高校はあるの?」と聞いても、
「いや、入れるならどこでもいいです。学校なんてどこもつまんないですよ。」と。

でもこの1ケ月で忘れていたことを思い出し、わからなかったところを理解し、自信がついてきたのでしょう、
先日の面談では「もっと英語の勉強がしたいから、英語の授業が多い学校に行きたい」と言っていました。
彼がはじめて口にした「目標」でした。

小学校の時の友達からは2年遅れてしまいましたが、
彼が日本で新たなスタートをきれるように、応援していきたいと思います。

たぶんかフリースクール新宿校
2012/11/14のBlog
[ 19:13 ] [ フリースクールの毎日 ]
放課後の自習時間。
「4年生の漢字ドリル」で勉強をしていた生徒によばれました。

「救急車ってなんですか?」
“救”の字が4年生の配当なんですね。

そこで救急車が患者を搬送しようとしている場面の絵を見せて、「これが救急車です」と説明。
ふだんはそこで終わるのですが、Vくん、ストレッチャーを指さして、「これはなんですか?」

まだまだ続きます。

「これはなんですか?」「サイレンです」
「これはなんですか?」「テールランプです」
「これはなんですか?」「ヘルメットです」「救急隊員です」「タイヤです」…。

漢字の勉強だったはずなのですが…。

彼の「これはなんですか?」は=「これは日本語でなんといいますか」です。

たしかにあまり日常で出くわさない場面なので、名前を知らない物が多いのでしょう。
それだけにたぶんここで一度だけ聞いたのでは覚えられないでしょうが、
知りたい気持ちを大切にしたいので、それを承知の一問一答。
なにしろ身の回りの物の名前を覚え、学習用語を覚え漢字を覚えで、毎日大変な彼らですから。

でもVくん、それを全部やっちゃうと今日の宿題が終わらないよ…。

たぶんかフリースクール新宿校
2012/11/06のBlog
[ 20:50 ] [ フリースクールの毎日 ]
文化の秋。都内の中学や高校では文化祭のシーズンです。

先日は高校見学も兼ねて生徒たちと一緒に都内の定時制高校の文化祭に行ってきました。
外国にルーツを持つ生徒の多いこの高校には「国際交流班」という活動があり、
当日は水餃子やタイ風春雨、コロンビア風ホットドックが販売され、
壁にはミャンマーの写真が貼られ…と国際色豊かで楽しそう。
そこで数年前の卒業生と会い、夢につながる専門学校に進学が決まったとの嬉しい報告もありました。

Jちゃんの通う中学の夜間学級でも今週末に文化祭があり、三味線部の彼女は練習にはげんでいる様子。
土曜日なのでスタッフは行けないのですが、先生方が聴きに行くよと話すと大喜び。
そういえば他の夜間学級に通っているBさんの公開授業の時に中学の先生に聞いたのですが、
Bさんは前日から「たぶんかの先生が来るかも」と話してそわそわしていたとのこと。
当日は目があうと笑顔でちいさく手を振ってくれました。
 
ほとんど知り合いがいない日本に来た生徒たち。
その日本で新しく知り合った誰かが自分のことを気にかけてくれている、
そのように感じられる出来事は生徒たちにとってうれしいことなのでしょう。
限られた時間の中ですが、そういう機会にはできるだけ足を運びたいと思っています。

たぶんかフリースクール新宿校
2012/10/26のBlog
[ 18:46 ] [ フリースクールの毎日 ]
タイ出身のVくんの進路の相談のためにお父さんがいらっしゃいました。
通訳をしてくれる日本語学校のタイ人の学生さんも一緒です。

「Vくんはどこの学校に行きたいと言っていますか?」という問いに、
「彼はこの学校を愛していますから、他の学校に行きたくないです」、と。

たぶんかフリースクールでできた友達と一緒に勉強できる期間は長くても1年。
その先は別々にがんばらなければいけないということはじゅうぶんにわかっていての彼の答えです。
その強い気持ちを伝えたくて通訳の方が選んだ言葉が「愛しています」だったようです。

Vくんは言葉を覚えることが得意ではないので、お父さんは入学当初からとても心配していました。
今、友達と日本語で話すVくんの姿を見てすこし安心したとのこと。
でも、Vくんの日本語が上達したことへの私たちの功績は大きくありません。
言葉がなかなか出てこない彼をゆっくり待ってくれ、時には助けてくれる友だちと、
もっといろんな話がしたいという彼の気持ちがもたらした結果です。

通訳してくれていた女性が最後に言っていたこと。
「私も日本に来てすぐは友達ができないことがいちばん辛かった。
Vくんは大変だけど、楽しそうです。」

他にタイ出身の生徒がいない中でみんなと仲良くなっていったVくん。
次は日本の高校で日本人の友達をつくってほしいです。

たぶんかフリースクール新宿校
2012/10/17のBlog
[ 19:09 ] [ フリースクールの毎日 ]
「“はにわ”はなんですか?」
放課後の自習時間、どこからか中学校の歴史の教科書を見つけたAくん、
どっかりと私の事務机の隣に座りこんでしまいました。
こうなるともう事務仕事はできません。
「この漢字はなんと読みますか」(日本の教科書なので全部にはルビがついていない)
「これはなんですか」(前方後円墳)etc.…。
質問にひとつひとつ答えているうちにあっというまに時間が過ぎていきます。
葛飾北斎の「富嶽三十六景」を指さして「これはなんという絵ですか」と聞かれた時には
すぐに名前が出てこず「うっ」となってしまいました。
するとAくん絵の中の富士山を指さして、「この山の絵です」、と。
それで私も名前を思い出したのですが、Aくんがそこまで知っていたことにびっくり。

16歳のAくんには知りたいことがたくさんあるのですが、
日本には彼の母語のミャンマー語の本はほとんどなく、
インターネットで得られる情報も多くないので、
知りたいことは一生懸命に日本語で質問します。
彼ほどではないですが、聞きたいことがたくさんあるのは他の生徒も同じ。
日本語を知らないだけで知識は身についている年頃の生徒たちなので、
質問内容もなかなか鋭く油断できません。

しかし、ひとり事務局の新宿校。
私にもたまに「これを終わらせないと今日は帰れない…」という仕事があります。
そんな時に頼りになるのが小学生を対象にしたニュース雑誌など。
Aくんにさりげなく「こういう記事」があるよと手渡します。
内容も時事問題から歴史までいろいろで受験やこれからの勉強にも役立ちそうですし、
ルビがあるので「この漢字はなんと読みますか」の質問は減ります。
ただ紙面の話題が豊富なので、内容への質問の量は増えている気がしますが…。

たまにそんな日もありますが、生徒たちの「知りたい」を気持ちを大切にしたいと思います。

たぶんかフリースクール新宿校
2012/10/10のBlog
[ 16:49 ] [ フリースクールの毎日 ]
10月にはいり、ひとつの「さよなら」がありました。
ネパール出身のAくんは6月に来日して7月にたぶんかフリースクール新宿校に入りましたが、
母国で中学を卒業していなかったため9月入学で夜間中学に入学しました。
けれどその頃にはすっかりフリースクールの生徒たちと友達になっていたので、
しばらくフリースクールと夜間中学の両方に通うことになりました。
が、10月になって昼間はお父さんのレストランを手伝わないといけないということで退室。
本人は「勉強したい」という気持ちを持っているのですが、「しかたないです」と。
学校のみんなもAくんの退室がとっても残念な様子で、
最後の日には連絡先を交換するためにAくんを囲んでいました。
とくに同時期に入学して、母語の違いを乗り越えていつも一緒にいた,
中国出身のWくんと、タイ出身のVくんはさみしそう。

Aくんのいない今週。
生徒たちに「Aくんのお父さんのレストランにお昼ご飯を食べに行きましょう」と言うと、
みんな「行きます!」
Wくん「いつ行きますか?明日ですか?」
…明日は授業です。
お昼休みに行くには遠すぎるかなぁ。

ところで、たぶんかフリースクールは土曜日は授業がないのですが、
荒川区にある本校のほうでボランティアさんと一対一で勉強をできる日になっています。
これは自由参加のため、新宿校の生徒は「遠い」と言ってあまり参加したがりません。
ところが、Aくんが土曜日なら勉強に来られるかもということになり、
「Aくんに会いたい人は土曜日に荒川本校に行きましょう」と言うと、
あんなにめんどくさがっていた生徒たちが「行きます」、と。

もうすぐ受験シーズン、土曜日の“Aくん効果”が続くといいのですが。

たぶんかフリースクール新宿校
2012/10/09のBlog
[ 12:07 ] [ フリースクールの毎日 ]
フィリピン出身のAさんが大量の大きなえびの頭を持って事務室へ。
「せんせー。これどうしたらいい?」
聞いてみると、同じくフィリピン出身のBさんのお弁当とのこと。
そのままゴミ箱に捨てて良いのか迷って声をかけてくれました。
そう、そのまま捨てられると臭いもするし、ゴキブリも来るし・・・。
スーパーの袋にくるんで捨てました。

さてさて、どんな豪華なお弁当だ、と思って教室を覗きに。
ランチタイムに子どもたち同士でお弁当を食べている姿を覗くのは、普段事務局
で事務をしている私にとって貴重なコミュニケーションの場となっています。

今日のBさんのランチは「オイスターシュリンプ(エビのオイスター炒め」だそうで、
たくさんのエビがタッパーに入っていて、教室中においしいにおいが漂っていました。
そして、Bさんのエビをおすそ分けでもらったAさんは、名前は忘れてしましましたが、
豚肉の甘辛く煮たものがご飯の下に敷き詰められているお弁当でした。

うーん、おいしそう。ただ、それにしても、年頃の女の子たちのお弁当に野菜が
全くなかったのが心配でもありますが・・・。

私もランチタイムとします。
ちなみに、私のお弁当はピーマンの肉詰めとキャベツの梅おかか和えと、しめじの
ブラックペッパー・しょうゆ炒めと、カボチャの煮ものです。

事務局・田中



2012/10/04のBlog
[ 18:30 ] [ フリースクールの毎日 ]
生徒が漢字の問題のプリントを「できました」と持ってきました。
ざっと見て間違いがないようだったので、「はい、OK」とかえしました。
でもまだそのまま立っています。
「どうしたの?」というと「まるをください」と。

日本の学校だとわりと当たり前の会話なのでしょうが、
たぶんかフリースクールだと「あぁ、○に慣れたんだなぁ」と感じます。
よく知られたことですが、多くの国が「正解はチェックマーク、不正解はバツマーク」。
さらに中国では地域によって「正解がチェックマーク、不正解は○」。
(○をつけるというよりもここが間違っていますという注意喚起の印だそうですが)
ここを最初によく説明しておかないと、生徒たちは○をもらっても「?」ですし、
人によっては○ばかりのプリントを見て「ぜんぶ間違ってるの!?」とびっくりです。

○のついたプリントに慣れる頃には文型も複雑になってきて、今度は「△」が登場するのですが。

ちなみに「まるをつけてください」と言われて○をつけて返したのですが、まだそのまま立っています。
「どうしたの?」というと「はなまるをください」。
はなまるの嬉しさまですっかり身についたようです。

たぶんかフリースクール新宿校
2012/10/03のBlog
[ 18:28 ] [ フリースクールの毎日 ]
放課後。非漢字圏出身の男の子ふたりが漢字の勉強をしています。
3年生の漢字で、「調べる」「意味」「漢字」「習う」…など。
ひとりは少し先に進んでいて言葉の意味はわかっているので、
辞書で新しい漢字を使った言葉の意味を調べているもうひとりを手伝っています。
しばらくすると突然、笑い声が。
「調べるを調べてください」
「意味の意味はなんですか」
「漢字の漢字はどれですか」
おもしろい…らしいです。

ふたりは母語が違うので日本語での会話が成り立たないこともよくあります。
どちらかが冗談を言っても相手はわからなくて「??」ということも。

ひとりがちょっとおもしろい勘違いをした時、
もうひとりが「あなた、それは違います」と言ったのですが、
そのセリフ、言葉は習ったとおりの丁寧な日本語なのですが、
響きは「おまえ、それぜんぜん違うし~」と言っているようでした。
そしてふたりでなぜか爆笑。
教えている私はふたりで通じ合ったものがわからなくて「?」。

彼らは、言葉そのものだけでなく身振りや表情や声の調子など、
すべてを使って友だちになっているんだなぁと感じました。

たぶんかフリースクール新宿校